ジエノゲスト(ディナゲスト)の副作用|薬剤師による服用体験レポート

オレンジ色の花健康
ユリコ
ユリコ

ジエノゲストの気になる副作用について、薬剤師である私の体験談とともに記事にしました。
約1年間服用した結果をレポートしています。

子宮内膜症の治療や、子宮腺筋症に伴う痛みの治療に用いられるジエノゲスト。
(先発医薬品の名前はディナゲスト)

昔の子宮内膜症治療薬に比べれば、副作用が少なくて長期間使用することができる「ありがたいお薬」なのですが・・・
それでも、ホルモン系の薬ゆえに色々な副作用が出る可能性はあります。

不正出血の副作用は有名ですが、他にも「太る」とか、「更年期障害が出る」等、気になる噂を耳にして服用をためらう人もいるでしょう。

「老化する」という都市伝説まであるようです。

薬剤師といえど、自分が服用するとなると都市伝説でさえ気になるもの(汗)
しかし、せっかく手術を受けたのに子宮内膜症が再発するのも嫌なので、意を決してジエノゲストを服用してみることにしました。

果たして副作用は出るのか?

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ジエノゲスト最大の難点「不正出血」

子宮がある人がジエノゲストを服用すると、通常の月経より薄い子宮内膜が形成されます。
この薄い子宮内膜ははがれやすいため、不正出血が起こりやすくなるというわけです。

一般的には、ジエノゲストによる不正出血はかなりの高頻度で起こります。
「子宮内膜症を対象とした国内第Ⅲ相長期投与試験」の結果によると、服用8週では約90%もの人に出血が認められ、出血が起こる日数も長いです。
しかし、服用8週以降は徐々に出血頻度が減少し、1年後には約40%の人は出血が無くなっています。

1年後に出血が認められる人でも、通常の月経より少ない量になるケースが大半を占めています。

ユリコ
ユリコ

私の場合は、子宮内膜症の再発防止のために服用しています。
手術で子宮全摘出しているので、ジエノゲストによる不正出血は起こりません。

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更年期のような症状とは?

ジエノゲストはエストロゲンの分泌量を減らす作用があります。
エストロゲンは「卵胞ホルモン」とも呼ばれる、女性ホルモンの一種です。
体内のエストロゲン量が減ると、更年期のような症状(低エストロゲン症状)が出ることがあります。

更年期のような症状(低エストロゲン症状)の例
  • ほてり
  • 頭痛
  • めまい
  • 動悸
  • 不眠・不安・気分の落ち込み
  • 発汗

ジエノゲストによる更年期様症状の中で、比較的出現頻度が高いのは「ほてり」と「頭痛」です。
それでも従来の子宮内膜症治療薬に比べれば、これらの副作用もかなりマイルドです

発作的に起こるホットフラッシュ(ほてり、のぼせ、発汗)は、更年期障害の代表的な症状です。

ユリコ
ユリコ

私の場合、「気分の落ち込み」がみられるものの、もともと鬱っぽい性格なのでジエノゲストが原因なのかわかりません。
他の更年期様症状は今のところありません。

※ジエノゲストとうつ症状の関係については、「ホルモン検査を受けてみた」の記事で書いています↓

ジエノゲストによる吐き気は意外と少ない?

ジエノゲストの飲み始めに起こる「吐き気」は、続けて服用すると治まることが多いようです。

低用量ピルによる治療で吐き気を経験している人は、ジエノゲストの服用も心配に思うかもしれません。
実際のところは、ジエノゲストの方が吐き気の副作用は少ないようです。

ユリコ
ユリコ

私の場合、吐き気は全く出ませんでした。

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ジエノゲストで太るのか?

「ジエノゲストで太る」という心配をされる方も多いようです。

ジエノゲストの添付文書には「体重増加」という副作用が確かに記載されています。
発現頻度は「1〜5%未満」・・・
添付文書に記載されている副作用発現頻度というのは、実情が良くわからない場合も多いです。
長期投与試験の結果をみると、服用1年後の体重の推移(平均値)に変動はみられません。
つまり、ジエノゲスト服用中に体重が増えた人もいれば減った人もいて、平均すれば変化無しといった感じでしょうか?

さらに、「体重増加=太った」とは限りません。
「太った」なら、体脂肪の量が増えたということです。
一方、むくみ等で体の水分量が増えたりしても「体重増加」は起こります。

ユリコ
ユリコ

私の体重はほとんど変わりませんでした。

都市伝説 ジェノゲストで老化する!?

「老化」という副作用は、ディナゲストの添付文書には記載されていません。

では、「ジエノゲストで老化する伝説」はなぜ生まれたのでしょうか?
恐らくそれは、ジエノゲストがエストロゲンの分泌量を減らす作用を持っているからだと推測されます。

女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2種類あり、役割が異なります。
どちらも様々な役割があるのですが、エストロゲンの方は女性らしい体を作るのに関係しています。
例えば、女性の肌や髪のハリや潤いを保つためにエストロゲンが重要な役割を果たしています。
言い換えれば、女性の若々しさを保つ働きがあるともいえます。
そんなわけで、エストロゲンの分泌量を減らすジエノゲストは老化を促進するというイメージを持たれるのかもしれません。

ところが「老化」という現象は、何の指標を以て判定するのかあいまいなものです。
私たち女性が一番気にするのは「見た目」だと思いますが、薬の副作用研究において「見た目の老化」はデータ集積の対象にならないのでしょう。
「見た目」以外にも血管年齢や脳年齢など、老化の指標になるものはあると思いますが、いずれも長期にわたる詳細なデータを以て研究する人がいなければ結論は出せないと思われます。

ちなみに、エストロゲンの低下は骨密度の低下と深く関わりがあることが知られています。
女性の骨密度が閉経後に急激に低下するのは、エストロゲンの低下によるものです。
骨密度に関しては、ジエノゲストの添付文書にも成長中の若い人(12〜18歳くらい)に投与する際の注意点が記載されています。
そういった意味では、ジエノゲストは「骨の老化」には多少影響があると言えるかもしれません。

ユリコ
ユリコ

私の場合、急激に見た目などが老化したという自覚はありません。
もちろん、人並みの経年劣化はあります・・・

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最後に

今回は、ジエノゲストの気になる副作用を中心にレポートしてみました。

ユリコ
ユリコ

副作用が出るか否かは人それぞれ。
気になる体調変化があれば、主治医に相談ですね!

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